Beck Bogert & Appice [Rock]
さて、70年代には「スーパー・グループ」と言われたバンドが多数デビューしたが、これこそ本命!70年代「スーパー・グループ」の最高峰である。
Beck Bogert & Appice

言わずもがな、「孤高の天才ギタリスト」Jeff Beckが、シュープリームスのカバー、You Keep Me Hanging Onのヒットで一気に人気バンドの座を得たサイケデリック・ロック・バンド、Vanila Fudgeのリズム隊、即ちベースのTim Bogert、そしてドラムのCarmaine Appiceをそそのかして結成したグループである。
それまでのJeff Beckと言えば、Yirdbirds脱退後、Cozy Powellを筆頭に有能なメンバーを集めながらも、バンドにはJeff Beck Groupという名前を冠し、自らを看板にして活動していた。が、このバンドで初めて自分以外のメンバーの名前を公にした訳である。どれだけこのメンバーに期待していたかは想像に難くない。
果たしてリズム隊の二人は(多分)Jeffが期待していた以上のいい仕事をした。
とにかくこのバンド、演奏力が半端じゃない。Tim Bogertはギターをも上回る自由度でベースを弾きまくり、Carmaine Appiceはツー・バス(注:ツイン・バス・ドラムのこと。当時はツイン・バス・ドラムを自在に操るドラマーはそれだけで存在価値があった)を効果的に使用、ゴング、チャイナ・シンバル等、その他の鳴り物で自分の周りを埋め尽くし、豪放、かつ自在なドラミングで圧倒的な音圧をバンドに与えている。にもかかわらず、鉄壁のコンビネーション。これは素晴らしい。この上に乗るエキセントリック、かつフリーキーなJeff Beckのギター。悪いはずがない。
Beckはこのレコーディングがよほど面白かったのだろう。「一体何回オーバー・ダブしてるんだ?」と、数えてしまうほど様々な音でギターを重ねまくっている。
特に当時最も話題を呼んだのはトーキング・モジュレーターというエフェクターを使った音である。これは一旦アンプのスピーカーから出た音を集め、ホースで音そのものを伝達し、その端をくわえて口中で共鳴させ、再度マイクで音を拾うという、超アナログなエフェクターなのだが、口を開閉させたり、口腔の形状を変化させたりすることによって、ワウとボコーダーの中間なような、「なんじゃ?こりゃ?」な音が出るのだ。曲のアクセントとして使うには非常に効果的なのだが、「使用しているとよだれが垂れる」「長時間使うと馬鹿になる」など、様々な噂が立った。
それはさておき、このアルバムの個人的な白眉は、何といっても2曲目のLadyである。この曲はそれこそもうなんつったらいーのか、すばらしくスリリングである。弛緩と緊張を繰り返す起伏に富んだ展開、エネルギーを凝縮し、時として発散、爆発させる。一瞬たりとも気の抜けない5分半だ。
唯一の欠点はボーカルである。結成に際してはRod Stewertに参加を要請したらしいが、ものの見事に断られたようで、結局、Appiceがドラム兼任で歌うことになったらしい。それなりにハイトーンも出るし、決定的な欠点は見当たらないのだが、やはり線の細さは否めない。さらに何を勘違いしたか、Beck自身も歌うという暴挙に出てしまった。これがまたものの見事にのっぺりと表情が無い。
残念なことにバンドはこの一枚で解散。(正確に言えば、日本でのみ、武道館でのライブの模様を収めた2枚組が発売された)ボーカルの失敗に懲りたのか、その後Jeff Beckはソロとなり、ジャズ風味あふれるインストルメンタル路線に変更。その第一弾が名盤の誉れ高いBlow By Blow、発売当時の日本語のタイトルは『ギター殺人者の凱旋』(なんてひでぇタイトルだ・・・)であるが、アルバムジャケットでJeffが着ているのはなんとBeck Bogert & Appiceのロゴが入ったTシャツである・・・
まったくもう、無頓着な人だ。
Beck Bogert & Appice

言わずもがな、「孤高の天才ギタリスト」Jeff Beckが、シュープリームスのカバー、You Keep Me Hanging Onのヒットで一気に人気バンドの座を得たサイケデリック・ロック・バンド、Vanila Fudgeのリズム隊、即ちベースのTim Bogert、そしてドラムのCarmaine Appiceをそそのかして結成したグループである。
それまでのJeff Beckと言えば、Yirdbirds脱退後、Cozy Powellを筆頭に有能なメンバーを集めながらも、バンドにはJeff Beck Groupという名前を冠し、自らを看板にして活動していた。が、このバンドで初めて自分以外のメンバーの名前を公にした訳である。どれだけこのメンバーに期待していたかは想像に難くない。
果たしてリズム隊の二人は(多分)Jeffが期待していた以上のいい仕事をした。
とにかくこのバンド、演奏力が半端じゃない。Tim Bogertはギターをも上回る自由度でベースを弾きまくり、Carmaine Appiceはツー・バス(注:ツイン・バス・ドラムのこと。当時はツイン・バス・ドラムを自在に操るドラマーはそれだけで存在価値があった)を効果的に使用、ゴング、チャイナ・シンバル等、その他の鳴り物で自分の周りを埋め尽くし、豪放、かつ自在なドラミングで圧倒的な音圧をバンドに与えている。にもかかわらず、鉄壁のコンビネーション。これは素晴らしい。この上に乗るエキセントリック、かつフリーキーなJeff Beckのギター。悪いはずがない。
Beckはこのレコーディングがよほど面白かったのだろう。「一体何回オーバー・ダブしてるんだ?」と、数えてしまうほど様々な音でギターを重ねまくっている。
特に当時最も話題を呼んだのはトーキング・モジュレーターというエフェクターを使った音である。これは一旦アンプのスピーカーから出た音を集め、ホースで音そのものを伝達し、その端をくわえて口中で共鳴させ、再度マイクで音を拾うという、超アナログなエフェクターなのだが、口を開閉させたり、口腔の形状を変化させたりすることによって、ワウとボコーダーの中間なような、「なんじゃ?こりゃ?」な音が出るのだ。曲のアクセントとして使うには非常に効果的なのだが、「使用しているとよだれが垂れる」「長時間使うと馬鹿になる」など、様々な噂が立った。
それはさておき、このアルバムの個人的な白眉は、何といっても2曲目のLadyである。この曲はそれこそもうなんつったらいーのか、すばらしくスリリングである。弛緩と緊張を繰り返す起伏に富んだ展開、エネルギーを凝縮し、時として発散、爆発させる。一瞬たりとも気の抜けない5分半だ。
唯一の欠点はボーカルである。結成に際してはRod Stewertに参加を要請したらしいが、ものの見事に断られたようで、結局、Appiceがドラム兼任で歌うことになったらしい。それなりにハイトーンも出るし、決定的な欠点は見当たらないのだが、やはり線の細さは否めない。さらに何を勘違いしたか、Beck自身も歌うという暴挙に出てしまった。これがまたものの見事にのっぺりと表情が無い。
残念なことにバンドはこの一枚で解散。(正確に言えば、日本でのみ、武道館でのライブの模様を収めた2枚組が発売された)ボーカルの失敗に懲りたのか、その後Jeff Beckはソロとなり、ジャズ風味あふれるインストルメンタル路線に変更。その第一弾が名盤の誉れ高いBlow By Blow、発売当時の日本語のタイトルは『ギター殺人者の凱旋』(なんてひでぇタイトルだ・・・)であるが、アルバムジャケットでJeffが着ているのはなんとBeck Bogert & Appiceのロゴが入ったTシャツである・・・
まったくもう、無頓着な人だ。









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